弁護士法人中部法律事務所の法律相談からご依頼までの手続きや弁護士費用等に関するよくあるご質問です。
弁護士費用特約とは、自動車保険に加入する際、オプションで加入することができる保険の特約です。
弁護士費用特約を付けて自動車保険に加入していると、交通事故の被害に遭った際、加害者に対して損害賠償請求を行うときなどに生じる弁護士費用等を保険金で支払ってもらえます。
物損事故でも保険が下りるか、法律相談費用も保険が支払われるかなど、保険会社によって特約の具体的な内容は異なりますので、詳しくは、ご加入中の自動車保険の保険証券・約款をご確認ください。
一般的な弁護士費用特約の特徴として、以下のようなものがあります。
・保険金で支払われる弁護士費用の上限は、通常、300万円までです。(重度後遺障害等の場合を除いて、弁護士費用が上限額を超えることはありません。)
・弁護士費用特約を利用しても、保険等級は変わらず、保険料は上がりません。
・被害者の過失がゼロの場合、被害者の保険会社には損害賠償義務がないので、被害者の保険会社は示談交渉をしてくれません。このような場合にも、弁護士費用特約を利用し、示談交渉を弁護士に任せることができます。
・弁護士の選任は、保険利用者が行えます。保険会社から弁護士を紹介されることもあるようですが、自分で決めた弁護士の弁護士費用を保険で支払ってもらえます。
交通事故で家族が亡くなった場合、亡くなられた方の法定相続人が損害賠償請求できます。
また、近親者(配偶者、子、父母)には固有の慰謝料請求権が認められています(民法711条)。
(より詳しく)
交通死亡事故では、お亡くなりになるまでの治療費、入院費用や付添看護費などの治療関連費、葬儀費用、亡くなられるまでの休業損害、逸失利益、慰謝料などについて、損害賠償請求することができます。
しかし、ご本人はお亡くなりになっているため、損害賠償請求できません。ご本人に生じた損害賠償請求権は法定相続人に相続され、法定相続人が損害賠償請求することになります。
つまり、亡くなられた方の配偶者又はお子様(第1順位)などが、損害賠償請求することになります。
他方、交通死亡事故では、近親者の方に、交通事故によって大切な家族を失ったという悲しみ・精神的損害が生じ、これについても損害賠償請求することができます。
これは、近親者固有の慰謝料請求権と呼ばれ、ご本人に生じた損害を相続したものとは別に、近親者に固有に生じる損害、損害賠償請求権であると考えられています。
〔参考条文〕
○民法711条
他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
亡くなるまでの入院雑費、治療費、死亡慰謝料、葬儀費用、死亡逸失利益等が請求できます。
判例上、130万円から170万円程度が葬儀費用として認められており、これより高額な費用を支出しても、全額は認められません。香典は、一般的には差し引かない扱いです。
(詳しい解説)
交通事故によって被害者が亡くなられた場合には、葬儀関連費を請求できます。ただし、特殊な事情がない限り、一定の上限、一定の水準に定額化されています。金額の目安は、130万円~170万円程度(裁判実務上は150万円が上限であるとする基準もあります)です。実際の支出額がこれらを下回る場合、実際の支出額に限られます。
加害者に請求できる葬儀関連費用とは、葬儀費用、火葬費用、その他の法要、仏壇や位牌の購入費、墓碑の建設費などです。
葬儀関連費から、香典は差し引かれません(損益相殺はされません)。
他方で、香典返しや弔問客の接待費は、葬儀関連費に含まれません。
また、ご遺体の搬送費は、葬儀関連費とは別途加算されるべきとされています。
なお、葬儀関連費用は、交通事故がなくともいずれ人は死ぬものであり、交通事故の加害者に負担させるべき費用ではないなど、過去に相当議論された経緯があります。ですが、今は、上記のとおり、一定額の葬儀関連費用が請求できるものとの裁判実務が確立しています。
2000万円から3000万円程度です。亡くなった方が、一家の支柱であったかどうか等によって金額が上下します。
(詳しい解説)
死亡慰謝料とは、交通事故によって死亡させられたことへの精神的損害に対する慰謝料をいいます。
死亡した被害者が、死亡の慰謝料請求権を取得し、相続人がそれを相続により取得して、加害者に対する請求を行うものと考えられています(相続構成)。
また、死亡慰謝料は、被害者本人から相続される慰謝料請求権だけではありません。遺族は、交通事故で家族を失い、精神的損害を被るわけですから、遺族固有の慰謝料も請求できます(民法711条)。法律上、この慰謝料請求は、被害者本人の父母・子・配偶者に限られています。けれど、内縁の妻や兄弟姉妹にもこの慰謝料請求を認めた裁判例があります。
死亡症慰謝料は、亡くなられた方の年齢や家族構成などに応じて算出されます。また、慰謝料を算出するための基準には、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判所及び弁護士基準など種類があり、どの基準で慰謝料を算出するかで金額が変わります。
例えば、自賠責保険基準による場合、被害者本人の死亡慰謝料は、原則として350万円、遺族固有の死亡慰謝料は、請求権者が1人なら550万円、2人なら650万円、3人以上の場合は750万円で、被扶養者がいる場合はこれらに200万円が加算されます。
これに対して、「交通事故損害額算定基準2014版」(財団法人日弁連交通事故相談センター)(弁護士基準の1つ。青い本、青本などと呼ばれています)によると、被害者本人と遺族固有の死亡慰謝料を含めた金額として、被害者本人が一家の支柱であった場合は、2,700万円~3,100万円、一家の支柱に準ずる存在であった場合は、2,400万円~2,700万円、その他の場合は2,000万円~2,500万円とされています。
なお、ここでいう一家の支柱とは、被害者本人が世帯主であるなど、被害者の世帯が主として被害者の収入によって生計を維持している場合をいいます。
交通事故の被害者が亡くなられた場合に、被害者が生きていれば将来にわたって得られるはずであった利益のことをいいます。
死亡した被害者が、死亡による逸失利益の損害賠償請求権を取得し、相続人がそれを相続により取得して、加害者に対する請求を行うものと考えられています(相続構成)。そのため、相続人以外の人が扶養されていた場合、当該被扶養者と祖属人との権利関係の調整が必要になります。
次の式で計算をします。
死亡逸失利益額=基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
生活費控除率は判例上30パーセント~50パーセントの間で算定されており、男性か女性か、扶養する家族がいるかどうか等で上下します。
就労可能年数は原則として67歳までで、高齢者については平均余命の2分の1とすることもできます。
(もっと詳しく)
・生活費控除率とは
加害者に請求できる逸失利益からは、亡くなられた本人の生活費が控除されます。具体的な生活費の計算は不可能であるため、基礎収入の内一定割合(生活費控除率)が本人の生活費として支出されるものとして算定されます。生活費控除率は、亡くなられた被害者の家族構成等により異なる扱いになっています。
被害者が一家の支柱である場合30~40%、主婦や女児など女性なら30~40%、男性単身者ならば50%程度を基準とするとされています。
・就労可能年数とは
就労可能年数とは、通常は67歳、高年齢者の場合は67歳までの年数と平均余命の2分の1の年数のいずれか長期の方の年数です。
・ライプニッツ係数とは
ライプニッツ係数とは、長期間にわたって発生する収入喪失を一時金に算定し直すため、すなわち、中間利息を控除するために、採用されている算出の方式です。複利方式で、利率を法定利息の5%として算出されています。
後遺障害とは、治療を継続しても治らない症状のことです。交通事故賠償実務における後遺障害は、自動車損害賠償保障法施行令によって、症状の残った部位や程度により14段階の等級が定められています。
損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所という機関が認定します。
窓口は加害者の自賠責保険会社です。
1.事前認定
加害者側の任意保険会社を通じ、後遺障害診断書を提出して、事前認定を依頼します。
2.被害者請求
加害者側の自賠責保険会社に、後遺障害診断書及びXP、CT、MRI画像等、必要資料を提出します。
損害保険料率算出機構の等級認定に対して異議申立をすることが可能です。新たな診断書などの資料を用意して、異議申立書を提出します。
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