弁護士法人中部法律事務所の法律相談からご依頼までの手続きや弁護士費用等に関するよくあるご質問です。
行政上は、運転免許点数制度により違反点数が加算されて、免許取消または免許停止の行政処分の対象になります。 刑事上は、自動車運転過失致死傷罪(刑法211条2項)または危険運転致死傷罪(同208条の2)に問われます。 民事上は、不法行為(民法709条等)ないし自動車損害賠償保障法に基づき、損害賠償責任を負います。
(詳しい解説)
交通事故の加害者は、民事上、行政上、刑事上の責任をそれぞれ負うことになります。
●民事上の責任
被害者に対して損害賠償責任を負います。民法709条や自動車損害賠償保障法に基づく責任です。
●刑事上の責任
被害の程度や事故の態様によって、以下の刑事責任を問われ、懲役、禁固、罰金などの刑罰を科されることがあります。
なお、自動車の交通事故に関する刑事責任は、以前は、刑法でその責任が問われていました。しかし、様々自動車事故を受け、新たに自動車運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法と略称されています)が設けられました。平成26年5月20日以降の自動車事故については、自動車運転処罰法により刑事責任を問われることになります。
・自動車運転過失致死傷罪(自動車運転処罰法5条)
自動車事故によって被害者に傷害を負わせた場合は自動車運転過失致傷罪、死亡させた場合は自動車運転過失致死罪にあたります。7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
・危険運転過失致死傷罪(自動車運転処罰法2条、3条、4条)
飲酒、薬物摂取、重大なスピード違反、信号無視など悪質な自動車事故については、より重い危険運転過失致死傷罪による刑罰が科されます。傷害事故なら15年以下の懲役、死亡事故なら20年以下の懲役です。飲酒や薬物摂取の量などによっては、傷害事故で12年以下の懲役、死亡事故で15年以下の懲役になります。
なお、飲酒や薬物摂取による自動車事故を隠そうとした場合には、別途、12年以下の懲役が科せられることがあります。
・業務上過失致死傷罪(刑法211条)など
自転車事故など、自動車事故以外の交通事故は、刑法に基づく刑事責任を負うことになります。例えば、業務上過失傷害であれば5年以下の懲役又は禁固、または100万円以下の罰金です。
その他、過失ではなく自動車を利用した故意の犯罪・事件の場合、刑法に基づき殺人罪、殺人未遂罪、傷害罪などの責任が問われます。
・道路交通法違反による刑事責任
無免許運転、免許証の不携帯、自賠責保険への未加入、車検切れなど、道路交通法の各種定めに違反した場合、各定めに応じて刑罰が科される場合があります。
●行政上の責任
自動車事故を起こした場合、運転免許点数制度により違反点数が加算されます。また、免許の停止や免許の取消になる場合もあります(道路交通法103条)。
例えば、社用車が業務中に事故を起こした場合は、運転者だけでなく、会社も運行供用者責任(自賠法3条)や使用者責任(民法715条)に基づいて損害賠償責任を負うことがあります。
被害者との関係では、基本的には、損害の全部に対して責任を負います(不真正連帯債務)。
加害者同士の関係では、誰がどの程度事故の原因となったかの割合に応じ責任を分担し(責任割合)、その限度でのみ最終的な賠償義務を負担することになります。
つまり、被害者から損害賠償を請求されれば全額支払わなくてはなりませんが、自分の責任割合を超える部分について、後で他の加害者に求償できるということになります。
具体的な事故状況に照らして、最終的には裁判所が判断します。 ただ、実務上は、過去の判例を基に図表を用いて類型化した基準が用いられており、裁判所でも判断の際に参考にされています。
(詳しい解説)
交通事故は、当事者の過失(不注意な行動や、不注意による義務違反)によって発生します。
過失割合とは、このような交通事故発生の原因となった不注意・過失の割合、交通事故という結果が発生したことに対する寄与の割合をいいます。
過失割合によって、被害者の損害賠償額が減額されます。
過失割合は、過去に起きた交通事故事例を積み重ね、様々な事故状況を踏まえた過失割合の認定基準が作成されており、この認定基準によって決められるのが実務上の運用となっています。
交通事故を、
●自動車同士の事故(四輪車同士、単車同士、四輪車と単車の事故)
●歩行者と自動車の事故
●歩行者と自転車の事故
●自転車と自動車の事故
●高速道路における事故
の大きく4つに分類し、事故の発生場所や発生状況、当事者の走行状況など細かく類型化され、それぞれ過失割合が設定されています。
この認定基準をベースに、個々の事案に応じた修正が加えられます。
例えば、夜間走行、速度違反や赤信号直前の交差点進入、合図(ウィンカー)なしや合図の遅れ、減速や徐行なしなど事案に応じた修正が加えられます。
被害者が未成年である場合の親権者(法定代理人)や、被害者が死亡した場合の法定相続人などが考えられます。
(より詳しく)
交通事故では、被害者以外でも損害賠償請求できる場合がいくつかあります。
大きくは次の2つの場合に、被害者以外の方が損害賠償請求できます。
①被害者ご本人の損害を、その代理人や承継人が請求する場合
②被害者以外の方に生じた損害について、損害賠償賠償請求する場合
①被害者ご本人の損害を、その代理人や承継人が請求する場合の例
・被害者が未成年である場合の親権者・法定代理人
・被害者の意識がない、意思能力に問題がある場合などの成年後見人
・被害者が亡くなられた場合の法定相続人
②被害者以外の方に生じた損害について、損害賠償賠償請求する場合の例
・被害者が亡くなられた場合の遺族固有の慰謝料請求権
交通事故では、原則として、事故日から3年を経過することで、時効になります。
したがって、事故日から3年を経過する前に、損害賠償請求を行わなければいけません。
後遺障害がある場合は、その症状改善の見込みがなくなった(症状が固定した)日から3年経過することで、時効になります。もっとも、時効が中断する例外もあるので、3年以上経過していても、弁護士に相談してみてください。
(より詳しく)
交通事故の損害賠償請求は、事故日(加害者を知った日)から3年を経過する前に、損害賠償請求を行う必要があります。
交通事故の発生から3年以内に示談を成立させなければならないということではありません。
他方、事故から3年を経過する前に損害賠償請求を行えばそれですべて問題ないということでもありません。
損害賠償請求することにより、時効が中断され(時効がリセット)、交通事故発生から3年を過ぎても、損害賠償請求権は時効消滅しなくなります。
時効の中断は、あくまで中断(リセット)ですので、時効中断事由からさらに時効期間が経過すれば、時効消滅します。
時効を中断させるための損害賠償請求は、単に加害者対して電話や手紙、メールなどで損害賠償請求しただけでは足りず、損害賠償請求訴訟を提起するなど、裁判手続きをとる必要があります。
このほか、加害者が被害者の損害賠償請求権を承認する場合(裁判手続きを取る必要はなく、治療費の一部を負担したり、示談金を提示するなどの行為も承認に含まれます)も時効は中断します。
任意保険会社は、必ずといってよいほど、判例の相場よりも低い金額を提示します。ある損害の費目について、法律的な根拠もなく「認められない」と主張している場合もあります。
示談には「この示談以外にはもう請求しません」という意味の条項が含まれていることが通常なので、安易に示談をすると損をする可能性が高いといえるでしょう。
できるだけ示談の前に弁護士に相談されることをお勧めします。
検察庁の被害者ホットラインに照会することが可能です。当事務所にご依頼いただいた場合は、当事務所から検察庁に照会いたします。 検察庁被害者ホットライン http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-9.html
(より詳しく)
交通事故の被害者は、加害者の刑事処分の結果を知ることができます。
人身事故の加害者は、刑事上の責任を負います。
刑事事件は、概要、
①交通事故の発生と警察への届け出
②警察による捜査(実況見分調書の作成など)
③検察官による処分(起訴・略式命令・不起訴)
④(起訴又は略式命令の場合)裁判手続き
という流れで進みます。
加害者に刑事上の処罰を科すために、裁判手続きを求めるか否かは、③の検察官が決めます。
検察官が不起訴にすると、加害者に対する刑事処分・刑罰はなく、事件が終了します。
略式命令であれば、略式の刑事裁判手続きで、加害者に一定額以下の罰金又は科料の刑を科します。
起訴すると、加害者を正式な刑事裁判にかけ、有罪の場合、裁判所が相当な刑を言い渡します。
被害者は、検察官が加害者に対してとのような処分を行ったか、検察庁の被害者ホットラインに照会することができます。
なお、検察庁への照会は、交通事故のご依頼を頂いた場合、当事務所から検察庁へ照会します。
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