弁護士法人中部法律事務所の法律相談からご依頼までの手続きや弁護士費用等に関するよくあるご質問です。
認知症になり事理弁識能力がないと判断される場合、家庭裁判所に成年後見審判の申し立てをして、選任された成年後見人が遺産分割協議に参加する必要があります。
次のような贈与が特別受益となるとされており、生前贈与の全てが特別受益になるわけではありません。
1.婚姻のための贈与・・・持参金、道具類、額によっては新婚旅行の費用、結納金など
2.養子縁組のための贈与・・・持参金、道具など
3.生計の資本としての贈与・・・家の購入、高等教育の学費など
遺産分割の調停を申し立てる場合、相手方の住所地の家庭裁判所が管轄となります。相手方が複数いる場合には、いずれかの住所地の家庭裁判所に申し立てることが可能です。また、当事者全員の合意により、それ以外の家庭裁判所で調停を行うことを定めることもできます。
遺産分割の審判を申し立てる場合、被相続人の住所地又は相続開始地の家庭裁判所が管轄です。調停が不成立となって、そこから審判手続に移行した場合は、それまでの裁判所でそのまま審判手続を行います。
遺産分割協議は、共同相続人全員で行わなければならず、一部の共同相続人のみで遺産分割協議を行ったとしても、その遺産分割協議は無効です。
内縁関係にある配偶者は民法890条の「配偶者」にあたらず、相続権は無いとするのが通説・判例です。
もっとも、相続人が存在しない場合に、特別縁故者として内縁の配偶者にも相続財産についての権利が認められることもあります。
普通養子縁組がなされた場合、養子にいったとしても実父母との親子関係は消滅しないため、実父母の財産についても相続人となります。
特別養子縁組がなされた場合には、養子縁組が成立すると実父母との親子関係は消滅するので、実父母の財産について相続人とはなりません。
連れ子でも、養父との間で親子関係が存在しなければ相続権は発生しません。
つまり、養父との間で養子縁組が成立していれば、親子関係が存在するので相続権が認められますが、成立していなければ親子関係が存在せず相続権は認められません。
賃貸物件となる不動産は、相続財産として共同相続人の共有となり、賃貸物件から生じる賃料は、賃貸物件とは別個の独立の財産となります。そして、賃料債権は金銭債権ですので、各共同相続人がその相続分に応じて取得することになります。
つまり、各相続人は、賃料を相続分で割って得られた額を請求できます。(最高裁判所第1小法廷平成17年9月8日判決)
遺産分割後に生じた賃料は、遺産分割協議によってこの賃貸物件を取得した者に帰属します。
祭祀財産は遺産分割の対象とならず、次の方法によって決められます。
1. 被相続人の指定がある場合、その指定された者が祭祀を承継します。この指定は、遺言ですることができますが、生前に口頭で指定しても構いません。
2. 被相続人の指定がない場合には、慣習に従って承継者が決まります。
3. 被相続人の指定もなく、慣習も明らかでない場合には、家庭裁判所の調停や審判で決められます。
遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所の調停又は審判で解決を図ることになります。まずは調停を申し立てましょう。
家事調停を申し立てる家庭裁判所は、相手方の住所地または当事者が合意で定める家庭裁判所です。相続に関する家事審判については、被相続人の住所地または相続開始地(死亡地)の家庭裁判所です。
調停または審判の結果は、訴訟による判決と同じ効力があります。相手方が調停または審判の結果の実現に協力しないときには、強制力をもって実現することが可能です。
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