別除権とは、破産財団に属する特定の財産について、破産手続きによらないで、破産債権者よりも先に、債権の満足(取り立てや回収・弁済)を受けることが出来る権利のことをいいます(破産法第2条9項、第65条1項)。
破産手続開始決定が出されると、通常の債権は、個別の取立てができなくなります。
その代わり、破産手続にしたがって、配当によって弁済を受けます。 しかし、債務超過,支払い不能のために自己破産しているわけですから,破産手続きによる配当では,十分な弁済は受けられないのが通常です。
他方、別除権を有していれば、別除権の対象となる財産から、破産手続によらないで個別に取立て、弁済を受けることができます。
別除権には,特別の先取特権、質権、抵当権、商事留置権、譲渡担保権、所有権留保、仮登記担保などがあります。
例えば、別除権として抵当権を有している場合、債務者が自己破産手続きをしたとしても,競売などの強制執行を申立て、不動産の売却代金から弁済を受けることができます。 なお、別除権を行使しても満額の弁済を得られなかった場合、不足額相当の債権は、通常の破産債権として扱われます。
関連用語:破産債権
関連業務:債務整理、自己破産