契約上の地位の移転【けいやくじょうのちいのいてん】
ある契約上の地位を、そのまま第三者に移転することを契約上の地位の移転といいます。これによって、契約当事者は地位を譲り受けた者との間で成立します。
地位の移転をするにあたり、誰と誰の間での合意があればよいかは、契約類型ごとに異なると解されています。たとえば、売買契約の場合、売り主・買い主の地位いずれについても、債務者が誰であるかが債権者にとって重要であるため、契約の両当事者および地位の譲受人の三者の合意が必要とされますが、賃貸借契約において賃貸人の地位が移転する場合、誰が賃貸人であるかは賃借人にさほど影響しないことから、賃借人の同意は不要であると解されています。