交通事故の被害者が亡くなられた場合に、被害者が生きていれば将来にわたって得られるはずであった利益のことをいいます。
死亡した被害者が、死亡による逸失利益の損害賠償請求権を取得し、相続人がそれを相続により取得して、加害者に対する請求を行うものと考えられています(相続構成)。そのため、相続人以外の人が扶養されていた場合、当該被扶養者と祖属人との権利関係の調整が必要になります。
次の式で計算をします。
死亡逸失利益額=基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
生活費控除率は判例上30パーセント~50パーセントの間で算定されており、男性か女性か、扶養する家族がいるかどうか等で上下します。
就労可能年数は原則として67歳までで、高齢者については平均余命の2分の1とすることもできます。
(もっと詳しく)
・生活費控除率とは
加害者に請求できる逸失利益からは、亡くなられた本人の生活費が控除されます。具体的な生活費の計算は不可能であるため、基礎収入の内一定割合(生活費控除率)が本人の生活費として支出されるものとして算定されます。生活費控除率は、亡くなられた被害者の家族構成等により異なる扱いになっています。
被害者が一家の支柱である場合30~40%、主婦や女児など女性なら30~40%、男性単身者ならば50%程度を基準とするとされています。
・就労可能年数とは
就労可能年数とは、通常は67歳、高年齢者の場合は67歳までの年数と平均余命の2分の1の年数のいずれか長期の方の年数です。
・ライプニッツ係数とは
ライプニッツ係数とは、長期間にわたって発生する収入喪失を一時金に算定し直すため、すなわち、中間利息を控除するために、採用されている算出の方式です。複利方式で、利率を法定利息の5%として算出されています。